いよいよ始まりました!!
政府は所得に応じて減税と給付を組み合わせる「給付付き税額控除」の制度設計に着手することになりました。海外ではすでに導入している国もあり、そうした例も参考にしながら、減税や給付の水準や対象者の設定、財源などについて検討を進める見通しです。
所得に応じて減税と給付を組み合わせる「給付付き税額控除」について、政府は、中・低所得者の税や社会保険料の負担軽減などを目的に制度設計に着手することになりました。
この制度では、所得税の控除額、つまり減税額を決めておきます。減税額は所得によって差をつけることも考えられます。
一定の年収や所得がある場合は、所得税の納税額からそのまま控除、つまり減税します。
ただ、所得税の納税額が少ないために全額を控除しきれない人には控除しきれなかった分を現金などで給付します。
所得税を払っていない人は減税できないため、控除額に相当する額を現金などで給付します。一定の年収や所得を下回る人は減税だけでは十分な効果を受けられないことから給付も組み合わせる仕組みです。制度設計にあたっては、まず減税や給付の水準が課題となります。財源もあわせて考える必要があります。
また、税や保険料の負担軽減という趣旨を踏まえたとえば現役世代が対象となるよう年齢の要件を設けるのか、中・低所得者支援という観点から年収や所得による条件をつけるのかなどがポイントとなります。
実施にあたっては、所得の正確な把握が必要となるほか、所得は低いものの資産は多い人などをどう考えるかという整理も課題です。いずれも丁寧な検討が求められることから、制度設計には年単位の時間がかかるという見方も出ています。
片山財務大臣は今月22日の就任会見で「所得などをどう正確に把握するかを含め、長年、『よい制度だができるのか』と言われてきたが、これをちゃんとやろうと約束をすることは非常に意味がある。議論を始めることになった以上きっちりと取り組みたい」と述べました。「給付付き税額控除」は海外ではすでに導入例があります。財務省によりますとアメリカは対象が25歳から64歳、または子育てをしている労働者、イギリスは18歳から65歳としていて、現役世代の負担軽減を目的としています。高所得者に対しては減税額を減らしたり、子どもの数が多い人には減税や給付を手厚くしたりするなど、政策目的や国内事情に応じてより細かい設計を行っているケースもあります。
一方で事務手続きが煩雑になることなどから、給付のみの対応に移行している国もあります。制度設計の検討は海外の事例も参考にしながら進められる見通しです。